過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
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2012/03/30(金) 21:27:25.53 ID:S2fDDXur0
杉坂「はい……。そして、外国のハイスクールにも行けなくなって……それで、この学校に来ました。私と一緒に……。
りえちゃんは、事故の日以来、すごく元気がなくて……私がどれだけ元気づけようとしてもダメで……私も悲しかったです。
ただ……たまの息抜きに軽くヴァイオリンを演奏しているときだけは、りえちゃん、とても楽しそうな顔をしていました。
どんどん握力が弱くなっていくのに……すごく楽しそうに、ヴァイオリンを弾くんです……。私も、最初はりえちゃんを止めました。
これ以上弾いていたら、いつか本当に弾けなくなってしまう日が来るんじゃないかって……思ったから……」
朋也(そこで……偶然俺が立ち寄ってしまったってわけか……)
俺は、自分の行動を後悔していた。仁科は、本当にヴァイオリンを弾くのが楽しかったのだろう。
だから、俺が訪れたら嫌な顔ひとつせずに、演奏してくれていたのだ。いつか、弾けなくなる日が来るのを知っていながら……。
どんな気持ちで演奏していたのだろう。怖くはなかったのだろうか。
杉坂「でも、そんなある日、ものすごく素敵な出会いがありました。古文の……幸村先生です。幸村先生は、音楽の素晴らしさを、りえちゃんに教えてくれたんです。
ヴァイオリンを弾くだけが音楽じゃない……って。そういって幸村先生は歌ってくれました。しわがれた声でも、音程があいまいでも……それでもとても、心がこもった歌でした……。
その歌に、ヴァイオリン以外の音楽の道を見つけて……りえちゃんも歌い始めたんです。その姿は、今でもヴァイオリンを弾いているときのりえちゃんでした。
そしてりえちゃんは、たくさんの人に、歌の素晴らしさを伝えたいと思いました。だから、この学校にない、合唱部を作ることにしたんです。
幸村先生と一緒に。私も一緒です。演奏部は、もう作ることはできないから……」
目の端に溜まった涙を拭って……笑顔で言った。俺はまだ……自分が許せなかった。
自分の勝手な行動で、仁科を追い詰めていたことを……。
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