過去ログ - マミ「今日も紅茶が美味しいわ」 の外伝
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◆D/8.giurYc
[saga]
2012/04/09(月) 20:53:11.98 ID:FYS5Fqjlo
◆
翌日、夜。
“ワルプルギスの夜” まで、あと二十時間。
ベリーズベリー北西部。州立大学の時計塔。
海に向かってなだらかな傾斜になっているこの街で、最も高く、全てを見渡せる場所。
佐倉杏子は、そこにいた。
屋根の上に胡坐をかき、ヘッドホンを耳に当て、眼下の夜景を見るともなく眺めている。
日の光の下では美しく映える赤髪も、夜の闇の中では鉄錆のようにくすんで見える。
杏子「……」
風の気まぐれだろうか。
ふと、その鼻を潮の香りがくすぐった。海までは数キロも離れているというのに。
あるいは街そのものに匂いが染みついているのか。
港の方に視線を向ける。
夜中にも関わらず、いくつもの明かりが煌々と輝いている。
そういえば、見滝原にも海があった……
「――見つけた」
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