過去ログ - ほむら「思い出せない…私は何者だ?」2
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(チベット自治区)
[saga]
2012/04/04(水) 20:40:27.94 ID:vGSY1lW30
ほむら「そのままの意味だよ」
手にした指輪を外し、上条恭介の眼前へ持っていく。
ほむら「何でも願い事がひとつだけ叶う…ただし、その代わりに一生、地獄のバケモノ共と戦い続けなくてはならない」
恭介「馬鹿らしい」
ほむら「やっていく勇気は無いということかな」
恭介「……」
彼の目がこちらに向いた。
小さな挑発に乗せられたようだ。
ほむら「バケモノは強い…いつだってすぐそこにいる…そんな奴と、君は戦い続けられるかい」
ほむら「終わることのない戦いに身を投じ、いつでも殺される危険を枕の脇に置けるかい」
指輪の空洞の向こうに見える恭介の片目は冷めたような澄ましたものだったが、ふと細まり、口元に笑みを浮かべた。
恭介「……決まってるじゃないか、戦うさ」
ほむら「ほう」
自信満々といった表情だ。
恭介「もっとたくさん弾きたい曲がある……聴かせたい人がいる」
恭介「その人のためだけに、僕は自分の腕を治すことを選べるよ」
恭介「それと引き換えに、すぐ死ぬことになったとしてもね」
恭介「…バイオリンの弾けない僕は、僕じゃないから」
ほむら「……そうか、それが君の願いか」
願いは願い。夢は夢。君の願いはかなわないだろう。
それを叶えるのは君じゃない。さやかだ。
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