過去ログ - 橘純一「変身!」
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/04/01(日) 21:31:50.85 ID:REiU83pN0
――迫りくる太い腕。

――その腕は、人のものではない。

――異形の姿が、私の目に入り込んだ。

――その狂気がこもった視線は、私と中多さんに向けられている。

――この一瞬の光景には、覚えがある。

――二年前、中学校の終業式。

――突然町に襲いかかった、怪物たち。

――目の前で人が血を流し……

――死んだ。

――理解した、今度は私の番が来たのだ。

――あの時、そう、今と同じように、怪物の手が迫ってきた。

――そして、同じように死ぬと思ったときに……あの人が、助けてくれたのだ。

――仮面の戦士。

――目の前に現れた時は、あまりにもその背中は頼もしくて……

――その戦士に抱きつき、泣き続けた。

――あの時は、巡り合わせで私は助かった。

――しかし、奇跡に近い巡り合わせはもう起きるはずがない。

――願わくば、中多さんだけでも助かることを祈るしか、私にはできない。

――流れる光景は、とてもスローに感じて……

ブォーーーン!!

ドン!!

トライアルD「ギギャッ!!」

キキィーーー!!

――怪物を吹き飛ばす、バイクに乗った王子様も、しっかりと目に刻み込まれた。




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