過去ログ - 橘純一「変身!」
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2012/04/02(月) 02:46:01.65 ID:loL86CYK0
――兄さんと会ったのは、兄さんがバイトでうんぬんで親父と知り合ったときだった。

――それからというもの、東寿司の常連客となった兄さんと俺は、よく遊ぶ仲になったっけかな。

――給料日前はよくカッパ巻きを死ぬほど食べたり、変なドジをするような人だったけど、それでも俺にとっては、必死に仕事に取り組み、仕事に誇りを持つ兄さんに憧れていた。

――兄さんは、仕事については詳しく話してくれなかった。今思えば、俺に対する思いやりだったんだな。

――けれど、ガキで、無駄に好奇心旺盛だった俺は、だだをこねて、無理やり兄さんから、兄さんが今やっている仕事について教えてもらった。

――アンデッドと戦うライダー。世界の滅亡がかかっている決死の戦い。

――それを聞いた時、俺は思わず背筋がぞっとした。不安になっていく俺の顔に勘付いた兄さんは、そんな俺に向かって、笑顔で答えてくれた。

「でも、たとえどんな奴が敵になっても、俺は、俺の守りたいものを守りきる! だから、大丈夫だ!」

――その顔は、その背中は、俺には、とても大きすぎて……。

――そして、その言葉を最後に……兄さんは、俺たちの前から消えてしまった。

――唯一、バトルファイトについて知っていた俺に、朔也さんが気を利かせて、真実を語ってくれた時、俺、柄でもなく号泣したっけかな。

――言葉の意味を知ってしまったから。

――多分、決心を固めてたんだな、って、俺は察したんだよ。

――……で、中学時代。

――バトルファイトの遺産、トライアルが、俺たちの町を、俺たちを、襲った。

――俺の目の前で兄さんが死に、知らないところでは兄さんがもう一人、そして親父が死んじまった。

――きっかけはいきなりで、きっかけはあまりにも理不尽なものだった。

――今、俺の手元にあるバックル。

――剣崎兄さんが使っていた、魂のバックル。

――俺、守れるかな……。

梅原「寝る前に考えることじゃないな……あいつ、ほんとに大丈夫だろうか。もし、あいつが剣崎兄さんと同じように……そうだな、そうさせないために、俺と路美雄ががんばらなきゃな!」



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