過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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100:ヒーロー参上!![saga]
2012/04/19(木) 22:05:07.66 ID:hZbfin/90



(でも、だからってこのままにしておくなんて出来ないよ……私のワガママでこんなことに…何とかしないと、何かこの術式を…)


薄れ掛ける意識を繋ぎ止めようと、爪が食い込む程に強く手を握り締める。
痛みで僅かにでも意識を保てるのであれば、刹那程の間であろうとも、頭脳をフルに回転させなければならない。
少女は焦燥にも似た使命感で辛うじて思考を続ける。
自分の愚かさと迂闊さ、我侭が招いた事であるならば、解決の糸口であろうともつかまなければならない。


絶望的な苦難であろうと、自分の力で何とかしようとする姿勢そのものが、少女の愛しい男の思考回路と類似している事に少女は気付いていない。


(ああ…だめ、まだ…)


瞼に重石を乗せられたように、意識が遠のく。
まるで意識そのものが暴力的な力強さによって無理矢理捻じ伏せられていくように。
この空間、この澱の中で意識を完全に手放す事がどのような事態になるのか、インデックスは既に気付いている。
だからこそ、抗おうとするがそれすらも取るに足らない足掻きだと、澱の向こう、闇の底で嗤う声が聞こえる。


(もう…これ以上は……せめて、一目だけでも……もう一度……とうまと……)


沈み込んだ闇の中で、更に、そして完全へと向けて薄れいく意識の中で少女は悲嘆する。






「インデックスに纏わりついてんじゃねーよ!!!」




「え?」


腰に腕が回されたと思ったら、引き寄せる乱暴な力強さが遠ざかっていたインデックスの意識を引き戻した。
べりべりと引き剥がしたインデックスの華奢な身体を抱えると上条は置き土産だと言わんばかりに彼女の身体に最後まで纏わりつこうとするゼラチンのような塊に右拳を打ち込む。
絶え間なく噴き出す粘膜は幻想殺しにとっては手ごろなとかっかりでもあった。
反動でインデックスの身体を引っこ抜くと石段のあったであろう坂を右手で掻き分けるように滑り降りる。




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