過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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154:サヨナラ、親父[saga]
2012/05/01(火) 21:40:52.41 ID:QiNXqYXw0


「Level 7か……嫌な野郎だ。最後の最後に科学者魂揺さ振るモン見せ付けやがって。おかげで未練が出来ちまった」

「ザマァみろ。せいぜい悔いを残しながら逝けよ」

「やっべー、やっぱぶち殺しておきてぇよ。めっさ殺してぇ〜」

「やってみろよ。返り討ちだ」

「ガキがナマ言ってんじゃねぇよ」

「ジジィが無理してンじゃねェよ」


犬歯を露わにして笑い合う顔がそっくりである事に二人は気付かない。
木原は納得したように立ち上がると、軽くズボンを払う。
一方通行は背を向ける木原を追おうとすることなく、静かに見遣る。
木原はふと足を止める。


「なぁ、一方通行」

「あン」


強い風が二人の間を吹きぬけた。


「 ―――― って願いに似てるとは思わねぇか?」


半ば掻き消された木原の声、しかし、一方通行には伝わった。


「願い?」

「壮大な願いならそれを手に入れようと必死になる。無ければ無くても見つけ出そうとする…」

「詩人だな」

「だろ?」

願いは人の数だけ存在する。だからこそ、人は時にぶつかり合い、傷付け合う。
わかりあう事すら出来ない程に数多く存在する願い、それでも求める心だけは変わらない。
一方通行は穏やかに笑う。




「じゃあ、そろそろ俺はいくわ」

「そうか」



木原の背が見えなくなると同時に一方通行は半ば確信に近い思いを抱く。
この夢の世界が終わりを迎えることを。
木原の言葉を反芻する。




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