過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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228:K・D・C(コノリ デストロイ クラッシュ)[saga]
2012/05/20(日) 06:24:58.91 ID:9TZ48rtP0




『ハァハァ……ねぇ、いいでしょ?』

『や、止めろ……』

『そんなこといって、本当は待ってたんでしょう?』



着地した場所は正解であったようだ。
ビルの奥まった物陰から聞こえる荒い吐息交じりの欲に塗れた声と、恐怖に怯える掠れた声。
固法と頷き合うと黒子はすぐに空間を跳躍する。



「そこまでですの!!」


「え?」



押し倒され、ズボンを膝まで引きおろされた華奢なシルエット、そしてそれを行ったであろう女のらしきシルエット。
上空からの声に、覆いかぶさっていた女は戸惑いの声と共に黒子を見上げる。
上空にテレポートして声をあえてかけたのは注意を引きつけるためだ。


「だらっしゃぁぁぁぁぁーーーー!!!!」


雄々しい雄たけびと共に女の身体が弾かれた磁石のように吹き飛ぶ。
風紀委員の肉弾戦車こと固法美偉のショルダータックルが炸裂したのである。
たゆまぬ鍛錬によって脅威のシフトウェートを可能にした固法のショルダータックルは固法美偉という名の鉄球に等しい。
黒子が上空から敵の意識を引きつけ、地を這う低空タックルで固法が仕留める。
『学園都市のタイガーショット』の名は伊達ではない。
数メートル程風車のように回転しながら吹き飛ぶ犯罪者を追って固法は地を蹴る。
その際にアスファルトが擂り鉢状に抉れるが些細なことだ。
固法の実力への絶大な自信ゆえに黒子は彼女への加勢ではなく、今しがた犯罪者に圧し掛かられていた被害者へ駆け寄る。


「大丈夫ですの?」

「あ…ああ…アンタは」

「ジャッジメントですの。私達が来たからにはもう大丈夫ですの」


脱がされかけたズボンを直してやりながら黒子は唇をかみ締める。
掠れた声なのは叫び過ぎたせいだろう。一体どれ程前から彼女は叫んでいたのだろうか。
自分のあり方に迷っていた矢先にこれかと黒子は歯痒さに思わずきつく拳を握り締める。





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