過去ログ - 打ち止め「失恋でもしたの?」一方通行「……かもな」〜外付けHD〜
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382:何も残っていないなんて言わせない[saga]
2012/06/17(日) 20:33:06.94 ID:0wydZm9V0


一方通行の冷たい手の感触を確認する。
どれだけ野原に寝そべっていたのだろうか。
彼の手が当たっていると思うだけでバードウェイの胸は早鐘を打つ。
一方通行の手とは正反対に身体が熱を帯びていく。
しかし、修羅場を潜ってきた彼女はそれを僅かにも面には出さない。


「確かにお前は大量虐殺者だ。悪党崩れのアウトロー気取りの厨二病患者だ。そしてろくでなしのロリコン野郎だ。その手は真っ赤に染まっているだろう。だが、お前はすり抜けて行ったものにばかり目を向けて一度でもその手の中にあるものを見たことがあるのか?」

「手の……中」


ゆっくりと開かれた掌を胸に押し当てる。



とくん、とくん、とくん


とくんとくんとくんとくん



自分の鼓動が彼に伝播し、彼の鼓動をすら早めればいいのに。
そんな自分に似合わぬ乙女チックな想いに苦笑する。
今だけは、似合う似合わぬとは言っておれないとバードウェイの勘が告げる。
今が進む時だと、そう訴える。


「私は“ここ”にいる。掴んだ手の中にいるぞ」


「オマエ……」



呆気に取られたように目を丸くする一方通行。

林檎のように顔を紅くするバードウェイ。



「クハッ……オマエって奴はよ…くかかかか」

「そんなにおかしいか」



一世一代の告白を笑われてバードウェイは剣呑さを滲ませた眼差しで睨み付ける。
しかし、一方通行は何処かすっきりとした表情で、穏やかに笑う。



「今までの俺は……オマエに会うためだったのかもな」


「ふぇっ!?」




そっと、指を絡めあうように一方通行の手がバードウェイの手を握る。





「オマエさ ―――






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