過去ログ - 【Fate】汝、自らを以って最強を証明せよ【コンマで聖杯戦争】
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859:1 ◆otXcqJ9cB.[saga]
2012/04/08(日) 00:41:39.85 ID:pigjlmyNo


《エピローグ》




冬木市の港湾から一部の区画を襲った大火災。

貴女は燃えカスの残った大地を雨水で体を濡らしながら走っていた。

貴女には何がどうなっているか分からない。

だが、貴女は消え入りそうな気配を感じながらも走っていた。

吠える。

見つけた、と思わず吠える。

そこには意識を喪失させたセイバーが倒れていた。

擦り寄り、頬を舐める。

それにぴくりと、彼女が反応する。

色の無い瞳。

それが貴女を見ると、自傷するかのように呟いた。


セイバー「―――ああ、お前か……無様だろう。貴様を犬と、笑えない様だ…」


貴女はそれに答えない。

ただ、力のないセイバーの腹の下に潜り込み、四肢を起こす。

背中に担ぐような状態。

そのまま貴女はゆっくりと歩き出す。

動く気力もないのか、少し呆然としたようにセイバーは貴女を見た。

貴女はそれを無視して歩く。

慰めるようにコロコロと鳴きながら、死に満ちた大地を歩く。

この人は、怖い。

だけど、今は怖くない。

貴女はそう感じる。

今も繋がるパスから流れ込んだ絶望を知っている。

貴女に悪意なんてものは存在しない。

だからこそ、染まることはない。

あるのは、生きるという願望だけ。

だからこそ、見捨てない。

希望を失ってもまだ、セイバーという人はそこに居たのだから。







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