過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2012/04/06(金) 23:25:14.46 ID:LK9HCvEh0

「ふぅ……満足じゃ」

 店を出てから、ようやく忍は口を開きそんな感想を言う。

「そりゃあ、あれだけ食えば満足するだろうよ。つうか忍、最後に貰ったドーナッツのお礼ぐらい言っとけよ。そりゃあ怪異と人間っていう関係性ではあるけどさ」

少し前に地元のミスドで貝木と遭遇した時もそうだけど、忍は自分から人間に対して話しかけることはあまりない。
それこそ貝木や影縫さんのような専門家や、斧之木ちゃんのような怪異そのものなら少しばかり違ってくるだろうが、
この姿になってから忍が普通の人間と話した処を僕は見たことがない。

……春休みの頃は、別にして。
 
 そこには当然、怪異と人間の関係が複雑――無関係だからこそ、難解な関係だからというのがあるだろう。
怪異とは、言わば舞台裏。どこにも居なくて、どこにも居る。怪異は世界と繋がっている。

 人間と馴れ合うような関係ではない。

「……感想なら、言うたじゃろ?」

「……まあ、次からはお礼も言うようにしろ――よ!?」

 そろそろ肩から忍を降ろそうとした瞬間、僕たちを取り巻く景色が暗転した。――違う、景色が組み変わっているんだ!
異常事態に気が付いた忍は僕の力を借りずに肩から飛び降り、二回ほど回転してから地面に着地し変わりいく景色の奥をジッと睨みつけた。
本来ならば忍の向いている方角には自転車置き場があり、僕のママチャリもそこに駐輪してあるはずだった。だが、そこにはペンキをぶちまけたような染みが延々と続き、
汚れた筆にトンボの羽のようなものが生えた意味不明の物体が旋回しながら無数に飛び交っている。
サイケデリックとかそんな次元ではなく、何者かの狂った思考をそのまま景色として見せられているような、そんな空間だった。



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