過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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(愛知県)
[saga]
2012/04/06(金) 23:31:54.34 ID:LK9HCvEh0
「ふん、過去に結界へ誘われた人間共か」
冷たく忍が言い放つ。
そこに感情はなく。
そこに感傷はない。
ただ目の前の事実を淡々と口にしただけだ。
怪異としては驚くほどのことではない。むしろ関心を抱いたことが驚愕だ。
「あ、あれは魔女の仕業なのかよ……」
ただし、僕は人間だ。人間もどきだろうと、半分吸血鬼であろうと、人間だ。
だから、この惨状に目を向けることが出来ない。
「紛れもなく、魔女の仕業じゃろうな。ほれ、お前様。そんなに引くことはない。さっさと片をつけるぞ」
「お、おい。待てよ、忍!」
言うが早いか、気持ちの整理などこれっぽちも出来ていない僕を尻目に、忍は蟻の魔女が居る中心地へ向け心渡を持って降りていってしまった。
反射的に僕も後を追ってサイケデリックな壁を滑る様にして降りていく。いや、忍は確かに格好良く滑走していったが、僕は落ちていくという表現の方が正しいくらい
間抜けにも転がりながら下へと移動することになった。ここまで吸血鬼性を上げていれば怪我をすることはないし、仮に怪我をしても痛みを感じる間もなく再生してしまう。
だからといって転げ落ちるのは恥ずかしいし(例え誰も見ていなかったとしてもだ)、恐らく普通に飛び降りればこんなことにはならなかったのではないだろうか。
相変わらず、僕は格好がつかない。
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