過去ログ - ほむら「私はあなたを、助けない」阿良々木「……」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[saga]
2012/04/06(金) 23:19:37.54 ID:LK9HCvEh0

 ……まあ、確かに僕も魔法が使えたらと思わないわけでもない。
いつだって人は、そういった楽なチカラの存在を求めるのだ。僕も忍も人間ではないけれど。

「ん、でもさ忍。アニメみたいなコテコテの魔法とまでは言わないけど、それに近いもんだったら存在するんじゃないのか?」

 怪異という存在があるように、魔法というものも存在するようにも思える。
以前、忍野が例の学習塾跡地に結界を張ったりしたのも、見方を変えれば魔法と言えなくも無い。
影縫さんの式神である斧々木ちゃんも、怪異ではあるけれど召還魔法と受け取れなくも無いだろうか。

「確かに魔法、魔術は存在するの。ただ、漫画やアニメのような万能というわけではない」

「はぁん」

 魔術と魔法の違いだなんて僕には訳がわからないけれど、やはりそこまで万能なものは存在しないということは理解することが出来た。

「ただ、儂が知らんだけで万能な魔法とやらも存在するかもしれんし、最近になって確立されたかもしれん。詰まるところ魔術や陰陽術も儂らと同じようなもんじゃからな」
 
 忍は意味ありげにそう言って、全体重を僕に預けるようにもたれ掛って来た。僕は少しだけ体制を整えてそれを受け止める。彼女の、小さい肩を。
どうやら外出するのは諦めたらしく、不機嫌そうな表情のままアニメが流れているテレビに視線を送っている。
現在時刻は夕方の六時。かなり早起きをしている忍はどこと無く眠そうだ。
そのまま僕らはしばらく無言でアニメを見続けていたが、どうも集中できずに主人公がやたらファンシーな効果音と、
目が痛くなるくらいカラフルな必殺魔法を使って怪獣を倒したところでDVDの電源を落とした。
一瞬で世界の平和を守った魔法少女も、世界の平和を脅かす悪の秘密結社の怪獣も、消えてしまい、代わりに夕方のニュース番組が流れ始めた。
 
 僕はこの瞬間にどこか虚無感に襲われる場合が、極まれにだがある。
我ながら捻くれているとは思うけれど、ああやってテレビの向こうの主人公が頑張って平和を取り戻しても、また次回には敵に平和を脅かされるという、
堂々巡りのような展開を冷めた目線で観てしまう。当然、こういったアニメや漫画は最終回というモノが存在し、どんな形であれ終わるのだけれど、
こうやって途中で僕が観るのを辞めてしまっては、物語の登場人物たちは終わりを迎えることは出来ない、なんて考えてしまう。

 本当に終わりが無いのは、現実だけだと解っているのだけれど。



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