929: ◆72cuWZiGoBc/[sage]
2012/10/11(木) 21:26:36.07 ID:c746IuOAO
意識がはっきりしてきたところで、家族会議を再開。
今度はわりと真面目に答えてくれた。
親父と貴音さんの父…四条パパは幼馴染みの親友だったそうで、高校どころか大学までずっと同じ学校にするくらいの仲だったらしい。
お調子者の親父と、由緒正しい家柄から真面目気質な四条パパは何故かひどくウマが合ったそう。
けれども2人は昔から共通の悩みが有って、「恋人が出来ないこと」が凄く悲しかったという。
「お前が女だったらな…」が互いに口癖だったらしい。
そんな2人はモテない男の情熱を注いで、2つ約束を作った。
「相談無しに童貞を棄てないこと」。
「互いに子供が出来てそれが男女であったなら、成人を機に許嫁として出逢わせる」。
……なんとも下衆な約束だけれど、ふたつ目の方は昨日美希から教えてもらっている。
仲が良かったはずの2人は、然しこのお調子者のせいで喧嘩別れになってしまったという。
つまるところ、親父がひとりで先に“卒業”してしまったらしい。後に俺の母になる人と。
約束を破られ、あまつさえそれを自慢しやがった親父に怒り心頭となった四条パパは、拳一発喰らわせたきり、親父の前に姿を現すことは無かったという。
そして月日は経ち、お見合いで結婚したという四条パパ。
結婚式には喚ばれなかったものの、何か想うことが有ったのか、第一子である娘──つまり貴音さんの誕生を、手紙に写真を添えて教えてきたらしい。
文通が続いたわけではなかったけれど、やがて俺という息子が生まれたので、親父は四条パパ宛てに、写真と手紙を送った。
そのやり取りにより「約束のふたつ目」は成立され、貴音さんは俺の、俺は貴音さんの『許嫁』ということになったらしい。
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