951: ◆72cuWZiGoBc/[sage]
2012/10/14(日) 14:51:48.85 ID:CqpQadLAO
貴音「それでは、“あなた様”という呼び方は2人きりの時だけに致します、“プロデューサー”」
P「あ、はい。そうしてもらえると、精神的に楽になります。ありがとうございます」
貴音「プロデューサーも、もっと気楽にしてくださいませ。それほど殿方に畏まられると、こちらも気がひけてしまいます」
P「う…うん。それじゃあ、これからよろしくお願いします、貴音」
貴音「こちらこそ、いつまでもあなた様のお側に」
互いに改まった挨拶をして、会釈。
また会う話をしてから、貴音は手を挙げて遠方にいた車を招き寄せた。
P「気をつけて」
貴音「それはこちらの言葉です。…長々とありがとうございました」
今一度会釈をして、ウィンドウが閉じられる。
車は土埃も立てず静かに走り去っていった。
P「……四条貴音さ……貴音、か」
想像してたのとは大分違う関係に落ち着いてしまったけれど、
これで彼女が喜んでくれるなら、よしとしよう。
P「……なんだろう、途轍もなくどうしようもない感じに底無しの泥沼に足を突っ込んでる感じがする……」
もちろんそんな経験はないけど、感覚的に。
P「……学校いこう」
貴音が合わせてくれたから、まだ遅刻までにはたっぷりの余裕がある。
散歩気分で気を紛らわせながら登校しようそうしよう。
──だが。
──このとき。
「………」
──俺は気付いていなかったのだ。
──貴音とのやり取りの間。
──認識外の場所から、ずっと様子を窺っていた彼女の存在に。
「……え……」
──彼女は、髪に結えてある赤い布をはためかせながら、別の道から俺を抜き去り、一足先に学校に辿り着いていた。
春香「えらいこっちゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
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