過去ログ - 勇者「食べるか?」少女「・・・・」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/08(日) 04:23:23.05 ID:C/HiMjr40
少女「・・・・!!・・・・!!」
服をつかんで泣いていた、言葉の喋れない体で必死に服をつかんで揺さ振っていた
彼女の姿を見て「それじゃいけない!!幸せじゃない!!」そう聞こえた
いや、違う、それはそう「聞こえた」のではなく「重なった」
仲間を殺す前の俺の姿と殺される前の愛していた仲間と
旅を続ける俺と声の出ない彼女が重なった
だから俺は同じ言葉を彼女にかける
勇者「・・・・いいんだ、それが俺の幸せ、自分が絶望すれば他人の不幸を踏みにじって自分をリセットする、それが俺の今でこれから先もずっと」
そうして、愛していた仲間は俺が殺す前に「・・・・そう、なら好きにすればいいわ」そう言って死んだ
なら、声の出せない彼女はいったい何を見せてくれるのだろうか
少女「・・・・」
黙って俺の腕を引いて宿屋の外に連れて行った
そして地面に字を書き始める
『あなたがこれからもそういう人生を歩むなら』
必死で、細い腕で地面に字を書き続ける
『不幸になったら私を踏みにじって』
僅かに怒りと悲しみが混ざった感情を出しながら
『そして、その後のあなたを私が幸せにする』
そして最後の文字を書き終えて
『今のあなたも、過去のあなたも、未来のあなたも、全部』
笑顔で俺に顔を向けた
『それが私からの最大のお礼、あの日拾ってくれたあなたへの』
勇者「・・・・それは愛の告白か」
少女「!!!!!?!?!?」
勇者「あはは、可愛いなチクショウ、チクショウ・・・・」
俺はその日、声の出ない少女の腕の中で一晩中泣いてしまった
こんな小さな幸せを俺は忘れていた
あの日から、俺が求めていた物はこれだったのかもしれない
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