17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/04/10(火) 21:06:37.88 ID:9lF7rWIo0
どたばたと騒がしく小屋の奥へと走っていった。
彼らは足が丈夫な種族らしい。固そうな足ではないが、中が丈夫なのだろうか。
小さいながらも、力は侮れない。
現地魔族の後ろ姿を見ている間に、振り返って戻ってきた。
「ほ、ほら、食べて?ごめんなさい、何を食べたいのかよくわからなかったけど、お肉…」
『……』
現地魔族は肉を持ってきてくれた。
ピンク色で鮮やかな色の肉だ。何の肉かはわからないが、水生生物のものだろうか。
そうは思えないが、毒が無いことを祈るしかない。
私は現地魔族が差し出した金属の拙い器を受け取り、それを床に置いて、私もその前に座った。
現地魔族の彼も、向かい側に座った。こちらの様子を見ている。
私がこれを食うかどうか観察しているのだろう。
彼に何かのたくらみがあるのか?と勘繰ってしまうが、私には食べる以外の選択肢は無いのだった。
爪に力を込めて、金属の器の中の肉をつまむ。
肉はいとも簡単に裂け、断ち切ることができた。
「わあ……」
肉片をクチバシに運び、喉に流し込む。喉の奥歯で咀嚼する。
『…毒はなさそうだな』
「美味しい?美味しいのね?」
刺激的な雰囲気は無い。毒はないとみていいだろう。
彼にそのような害意があろうか、と一瞬でも疑ってしまった自分が恥ずかしい。
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