過去ログ - 勇者「魔王が勇者一族に呪いをかけたけどやっと対面できそうだ」
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390: ◆SHpOT25On.[saga]
2012/11/26(月) 23:33:21.85 ID:yC1A4571o
勇者「また俺から離れる気か、俺の手の届かない所へ行く気か。」
ズリ ズリ
勇者「あの施設から俺が飛び出した時、なぜ来てくれなかった。」

勇者「おかげでこのザマだ。俺さえ忘れて、俺に牙を向いて。」

女商人「カオス・・・」
短剣≪ヒュオ!≫
ギャリン!
女商人「!」

勇者「・・・その腕輪は、なんだ?」

勇者「古いものだ。かなり昔に、神に結婚を誓い合う為の腕輪だろう?」

勇者「そうだ、誓いだった。愛を繋ぐ、と。」


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黒球「俺の魔力の影響が弱まり始めている・・・?」

黒球「イラつきから嫌悪感、嫌悪感から殺意。今までの情報から私の魔力の影響はそのように段階を踏んで変化していたが・・・。」

黒球「今はイラつき程度に収まっているな。手足がちぎれたのならば頭に血が昇っても・・・あ、昇る血が無いのか。」

黒球「おまけに土人形の方まで動きが鈍っているじゃぁないか。おかげで機先を制され動けない。クックックックッ・・・」

黒球「愉快な展開になってきたな。この戦闘だけで一体いくつの特異点が関与しているのか。」
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勇者「俺はそんなに不甲斐ないか、俺の手の中はそんなに不安か。」
勇者「商人が俺の傍に居れば俺は守る事も出来ただろう。連れて行かせる事など断じてさせるか。」

勇者「何故俺に守られていなかった。」

女商人「・・・真空珠」
ゴオオ!
勇者「衝撃壁」
ヒュオ!

ヒュゥゥゥ・・・

勇者「ずっと、寂しかった。俺の手の届かない場所で、仲間が談笑していて、守る事もできず、」
勇者「夜は一人で、火の熱さは冷たく感じて、月は寂しさを募らせる。」

勇者「俺は、一人だった。家に居る時も、家を出てからも、」

勇者「ずっと、一人だったんだ。商人、お前だけが、俺の傍に居れたんだ。」
勇者「ずっと、寂しかったんだ・・・。」

右手≪スゥ≫

女商人「っ!」ビクッ

ギュッ

勇者「・・・俺が体で感じる事が出来た初めての温もりは、お前だったんだ。」

女商人「・・・」

手甲≪・・・シュカ≫
針≪キラ≫

女商人「・・・。」

グイッ!

女商人「っ!」
ふら

勇者「俺が自分を忘れた時は、最後はお前が起こしてくれたな。」


勇者「お返しだ。」
女商人「っ」

スゥ――――――


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