過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/21(土) 18:06:05.43 ID:3Q+0eL/f0
 巨大な銀色の月が、どこまでも青白い虚空のただなかに浮かんでいた。
 月の淵に溜った銀色のしずくが、ぽたぽたとたれて、ロニがうたた寝する部屋を、うす明るく照らしだした。
 渡り廊下をはさんで南側にひろがる中庭は、いたるところ銀メッキされたように、冷たく輝いていた。
 夢の中で見る月は、途方もなく大きい。
 頭がずしんと重く、まっすぐに立ってはいられないほど、大きかった。
 
 風ひとつ吹かない夏の一夜。

 それでもロニの夢に現れた月は、凍るように冷たかった。




 う……ん



 ロニは寝汗にまみれながら、寝がえりを打った。
 青い貌が半回転して、中庭のほうを向いた。
 そのとたん――
 チカチカと瞼を刺激する眩さに、目が痛んだ。
 閉じた瞼の裏側まで銀色に染まるほどの光。
 しかもその光は、銀の剣のように固く、鋭かった。

 ロニは目をしばたたき、眉間に細い皺をきざんだ。
 眩しかった。
 真夜中だというのに、なぜ、これほど眩しいのだろうか。
 理由のわからぬ頭痛が、彼女に襲いかかった。

 いたたまれなくなって、彼女はついに目をさました。
 一瞬、猫のように細く絞りこまれた彼女の瞳孔が、金色に反射した。


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