過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/21(土) 18:40:06.42 ID:3Q+0eL/f0








「だって……私がお月さまを止めてしまったのですもの」




 その夜、禍々しくも虚空で、たしかに月は凍りついて動こうとしなかった。
 月が運行を止め、危険なほど電子の地に近づいたことを知ったのは、二人だけだったが、それは惨劇の予告であった。
 夢であったのか? それとも現だったのか? ロニには、いま目に映る巨大な月の意味を理解しかねた。

 ただ、アサシンの姿をした得体の知れない少女の話が、亡霊のようにいつまでも耳に残っていた。



 ――お月さまを止めたのは、わたし。



 ロニはその声を思いだすたびに、かぶりを振って耳をふさいだ。いや、おそらく――
 私が見た「月」は、死ぬべき運命を与えられ結んだ、最後の占夢だったかもしれなかった。
 だってそうでしょう?
 今、この電子の海そのものこそが偽りなき真の月。
 仮想空間とはいえ、見慣れた空に浮かぶあの満月が偽りである死の凶星であることは自明の理。
 そして、そうこうするうちに雲が晴れ、月光が、運命の日の昏き狂想曲で、冷たく満たした――


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