過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/23(月) 00:12:35.72 ID:e4y+QMAf0
 せめて縺れたカーテンの紐を修繕しておけばよかった。
 スポンジ状の耳栓を指先でもみながら、手打ちウドンくらいの太さにする。
 思いきって耳の奥深く挿入し、待つこと五、六秒、みるみる体温で膨張しはじめ、耳孔粘膜に密着した。
 世界が遠退く。水に潜った感じ。
 汗で湿った部分を避けて、ベッドに横になる。




 鳴りつづける電話。




 しかし竈の下で死に損なった晩秋のコオロギよりも弱々しい。
 電話の音が途切れた。諦めてくれたのかな? 確認のために上半身をおこし、つい耳栓を浮かせてしまう。



 駄目だ、まだ鳴りつづけている、まいったな、やっぱり諦めてくれる相手ではなさそうだ。
 耳栓だけでは逃げ切れそうにない。ヘッドホーンを重ねて、防御を二重にしてみよう。
 CDデッキのスイッチを入れれば、聞こえてくるのはバッハのブランデンブルク協奏曲。
 予想以上の好成績だった。全曲を聞き終えるまえにさっさと眠りに落ちてしまう。

 


 あれからアサシンと喧嘩別れして一晩経った。
 雨の中、足元で泣きとめる子犬のように許しを請う彼女にぴしゃりと追いかけるなと声を荒げ
 そのまま涙で頬を濡らしながらじっと見つめ続けるアサシンを振り切ってカレンが寝泊りする教会の一室に逃げ込んだ。


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