過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/29(日) 17:40:54.14 ID:HMMzEp0c0
 有珠は床に落ちて捩じれた硝子の瓶を、じっと見た。
 しゃがみ込んで瓶の口のあたりを覗いてから、床についた手を支点に、ゆっくり時計方向に回ってみる。
 とくに疑惑をもたせるような仕掛は何処にもない。


「浮遊感と言うか、自分の状態について、自覚はあるの?」
「あるんじゃないか……着地すれば、接地点の感触がつかめるし
 ……かなりの程度、意思で動きをコントロールできるし……やってみようか……」


 軽く宙を滑って体操選手の跳馬をスローモーションで撮影したみたいな反転着地
 すべてが常識的な物理法則の世界に戻ってくれた。


「あーあ。これじゃあ変装もあまり意味ないかな」
「うーん……」


 油断は禁物。
 施術は一瞬のうちに終わった。
 ウェンガーの刃が幾重に重ねられ、『双子』の手首が雀の方向転換なみの素早さで回転した。
 予備運動かと思っていたが、すでに切開しおえたあとだった。


「……さあ行くわよ」

 離れてしまえば意味をなさない、黒い鼠の糞のようなもの。
 ねばっこく糸をひいて血が流れた『双子』を伴い黒衣の少女は教会の門を開いた。
 彼女にはこの空間内でどうしてああも不自由なく動けるか気掛かりだったが
『双子』には彼女のご機嫌伺いのほうが関心事らしかった。


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