過去ログ - ランサー「ゲイ…ボルグ!」アンリ士郎「アッー!」
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215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/29(日) 19:47:55.63 ID:HMMzEp0c0
 ドアを開けると、自動的に室内燈がともった。
 40Wの蛍光燈が二本、じゅうぶん以上の明るさである。
 しかし小文字並子は踏み込むのをためらった。予想と違いすぎたのだ。
 まさか天井すれすれに浮かんだ空飛ぶ少年たちが、にっこり笑って迎えてくれる場面を予期していたわけではないから、落胆とは違うだろう。


アンリ士郎「い、いきなりとか」


 部屋というよりは物置。
 物置というよりは混沌の缶詰。ドアの開閉に連動させた自動点燈装置には、おおよそそぐわない無秩序さ


 ……音をたてずに咆哮している幻想的な乱雑さ……


 この教会の構造は、玄関の共有部分をはさんで、完全に左右対称だと聞いている。
 やや広めの裏口玄関から、右もしくは左に収納用棚つきの廊下、突き当たりがトイレ。
 入ってすぐの窓側が約十畳の板の間、保根はベッドを持ち込んで寝室にしてしまっているが、
 彼女、カレン・オルテンシアは月賦でそろえたフィンランド製の家具とイタリー製の小物で演出し、居間兼客間、兼食堂に使っている。
 もっとも実際に客を迎えたことは、この数ヶ月に十回を越えてはいないはずだ。


 来客の予定があるたびに、なぜか問題が起きるので憶えている。
 あるときはソファのクッションの裏側が黒い黴の培養基になり、
 別のときにはアール・ヌーボー風の大げさな花瓶に鼠が巣をつくり、親鼠は逃げてくれたが赤剥けの子鼠が五匹、
 瓶の底でうごめいていた。


 保健所に電話してなんとか引き取ってもらったものの、失礼な人間だったのか、その保健所の人は
 脳味噌じゅうの砂鉄が逆立つほどの彼女に嫌味をあびせられたとか。


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