過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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17: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/04/12(木) 02:18:56.63 ID:ONUfGzjro

平日の昼下がり、三分咲きの桜を見に来る者など高が知れている。
桜の名所というならまだしも、地元の中央公園だっていうんだから尚更だった。

スタジャンの袖を引っ張っていた桐乃の手は、いつの間にか俺の腕に絡ませてあった。
桐乃はめぼしいベンチを見付けたらしく、迷うことなく俺を誘導する。
遊歩道の脇、ちょうど桜の木の下にあったベンチに、俺と桐乃は並んで腰掛けた。

「なぁ、こうして見ると、この公園って結構な広さなんだよな」

「あたしも知らなかった。……っていうか、今まであんま来なかったしね」

「俺が思い付きでつい中央公園なんて言っちまったけど、こんな所で良かったのか?
 桐乃が行きたいとこあんなら今からだって――」

「またあたしに気ぃ遣ってるし。……あたしは別にどこでも良かったの。
 京介が植物園って言えば植物園でもいいし、只歩くだけだって言えばそれでもね」

「桐乃こそ、俺に気ぃ遣ってんじゃねえか。今日の服だって俺に合わせたって言うし」

「あれは半分冗談だって。……こういう服もたまにはいいかなって、あたしも思ってたから」

俺も桐乃もベンチに座ってあらためて話をしようとすると、なかなか話が切り出せない。
桐乃とは夜通し語り明かしても尽きないほど、話したかったことがたくさんあるっていうのに。
これじゃまるで付き合い始めたばかりの恋人同士だよ、まったく。


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