過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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37: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/05/01(火) 15:55:28.84 ID:uODh40ylo

メールのやり取りを除けば、俺があやせと顔を合わせなくなってから随分と日が経っていた。
俺の家に沙織や黒猫も集まって、皆で卒業祝いをやったあの日が最後だ。

桐乃はあやせが勝負に出て来たと言うが、本当のところは当人に聞いてみなければわからない。
それと言うのも、俺にはあやせが本気で俺のことを好きになるとは到底思えないからだ。
卒業祝いのときだって、特にこれと言ってあやせに変わった様子など見られなかった。
もしかすると、単に俺が気付かなかっただけのことかもしれないが……。

「あたしさぁ、思ったんだけど……あやせ、焦ってるんじゃないかなぁ」

「焦るって、何に焦ることがあるんだよ」

「さっきも話したけど、高校を決めるときもお母さんとかなり揉めたって、あやせ言ってたし。
 最後はハンストまでして……」

「結局、あやせのお袋さんが根負けしたっつーか、認めざるを得なかったってわけか。
 ていうか、そのこととあやせが焦ることに何の関係があるっていうんだよ」

「まぁ、京介にあやせの気持ちなんて、きっと理解できないだろうけどね」

今日の桐乃には、いつもの桐乃らしさがまったく感じられない。
何かと含みのある物言いが気に掛かるし、笑ったかと思えば溜息交じりに顔を曇らせる。
あやせの気持ちよりも、俺にはむしろ桐乃が今何を考えているのかの方がよっぽど理解できない。

俺たちの間には、何となく気まずい雰囲気が漂っていた。
何か話さなきゃって思っても、桐乃の顔が話し掛けられるのを拒んでいるようにさえ見える。


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