過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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5: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/04/10(火) 00:31:46.82 ID:YcrpUIOoo

俺のことを京介と呼びたいと桐乃が言ったのは、確かこれで二度目だ。
一度目は、モデル事務所の美咲さんから、モデルとしてヨーロッパに連れて行きたいと誘われたときだった。
あのとき桐乃は、彼氏と離れたくないと出任せを言って、俺を臨時の彼氏に仕立て上げたんだっけ。
しかし、今日は俺たちのことを誰かが監視してるわけじゃねえだろうし、なぜ……。

「俺は別に構わねえけど、何でまた……」

「理由は聞かないで……。
 京介は、あたしのお願いを聞いてくれるって約束したんだから。
 それから、ついでにもう一つだけお願い。……今日だけは、あたしのこと、妹だって思わないで」

一つだけお願いを聞いてくれって話だった筈が、ついでだと言ってもう一つ付け加えやがった。
それも事もあろうに、自分のことを妹だと思わないでくれって……。
桐乃の顔を窺うと、何だかいつにもなく真剣な表情で、とても冗談を言っているようには見えない。

何かに悩んでいるというわけでもなく、何かを思い詰めているというわけでもなさそうだ。
只、真摯なまでに真剣な眼差しで、その瞳は澄み切っていた。

「了解。……俺のことを京介って呼ぶことも、おまえを妹だって思わないこともな」

「ありがとう、京介。……でも、今日だけだからね」

桐乃はいくらか頬を染め、ちょっと照れたように笑った。
俺も何となく照れくさい気がして、何だかわからないまま桐乃につられて笑っていた。
不思議といえば不思議な感覚だった。


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