過去ログ - 桐乃「ねぇ、散歩行かない?」京介「……そうだな、たまには行ってみるか」
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98: ◆Koneko/8Oc[sage saga]
2012/07/06(金) 20:05:17.04 ID:uYhwQJMKo

ペットボトルを締め上げようがベンチに叩きつけようが無駄なことだ。
どうやらペットボトルを黒猫に見立てているようだが、ペットボトルがそう簡単に潰れるはずがない。
黒猫を叩きのめすとか口では言っても、桐乃の行動にはどこか子供っぽいところがある。

「ねえ、あたしたちが瑠璃に初めて会った日のこと憶えてる?」

「沙織が開いたオフ会のときのことか?」

「そう、あの日、あたしと瑠璃だけが浮きまくっちゃってさ……」

「オフ会なんて初めてだったんだから仕方ねえよ」

「そうなんだけどさぁ……」

オタクを自称する他の参加者にしてみたら、あの日の桐乃は場違いな存在でしかなかった。
いつも自信に溢れた桐乃が、そのときばかりは不安と焦りの表情を浮かべていたのは明らかだった。
俺だって出来ることならすぐにでも席を立って、桐乃の腕を掴んで帰りたかったくらいだ。

「あたし、それまで京介以外に誰かとアニメやゲームの話なんかしたことなかったし……。
 こっちから話し掛けても全然相手にされなくってさ、今思い出しても腹が立つったらありゃしない」

あれから二年近く経った今でも、あのとき味わった悔しさは忘れていないようだ。
桐乃は、手に持ったペットボトルを無言でペコペコと潰しにかかる。
この様子だと、あのとき一緒にオフ会に参加していた連中を思い浮かべているに違いない。
もし、沙織がオフ会の後で俺たちを呼び止めてくれなかったらと思うと……。
俺はこの先もずっと、沙織には頭が上がらない。


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