31:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:15:14.77 ID:Yn2W/cWU0
「バカねあんた達は。事務所の存続がかかっているんだから、もっと気を引き締めなさい」
ふたりをぴしゃりと、伊織が諌める。大人びた彼女は既におおよその事情を把握しているようだ。流石は竜宮小町の
32:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:16:05.64 ID:Yn2W/cWU0
「自宅まで押しかけられていい迷惑だわ。無視したら腕を掴まれたから、思い切り足を踏んづけてやりましたけど」
不機嫌さ全開で千早が愚痴をこぼす。おいおい穏やかじゃないな。でもケガとかさせられたらすぐに報告しろよ。
33:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:17:11.44 ID:Yn2W/cWU0
「みなさんお茶がはいりましたよ〜」
雪歩が居ないので、やよいが全員分のお茶の用意をしてくれた。では時間だし、そろそろはじめようか。事務所の
34:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:18:14.38 ID:Yn2W/cWU0
「まずは今回、このような事態になってしまった事を申し訳なく思う。我が765プロを守るためとはいえ、キミ達を
巻き込む形になってしまったのは、私の力不足だ」
35:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:18:49.91 ID:Yn2W/cWU0
社長の謝罪の言葉に、律子と音無さんがフォローを入れる。今回のアイドル３番勝負を申し出たのは、意外にも高木社長
の方だったようだ。実は高木社長は、俺達のあずかり知らない所でずっと黒井社長から765プロを守り続けていてくれて
いた。しかし今回、黒井社長のトバシ記事から始まる策略により、あわや吸収合併という危機に陥ったらしい。それを防ぐ
36:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:19:30.90 ID:Yn2W/cWU0
高木社長は黒井社長にこの勝負を持ちかけ、負けた事務所が吸収されるというのはどうかと提案したのだ。自分の事務所
の所属アイドルに絶対の自信を持っている黒井社長は、無駄な悪あがきと嘲笑いつつも、これを快諾した。今をときめく
２大アイドル事務所の直接対決である。世間の注目も大きい。黒井社長は公の場で、765プロを完全に屈服させる
37:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:20:27.48 ID:Yn2W/cWU0
「アイドル３番勝負は、それぞれの対決にテーマが与えられている。アイドル達は、そのテーマに沿って対決してもらい、
よりそのテーマを深く理解し、強く表現出来た方が観客の投票を多く集めて勝ちとなる」
何とか対決には持ち込めたものの、ウチの不利は依然変わらない。事務所全体で活躍してきたウチのアイドルが、個人で
38:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:22:15.11 ID:Yn2W/cWU0
「テーマは『song』『appeal』それから『future』だ。『song』は歌を中心とした歌唱力対決、『appeal』は歌に踊りなど
も加えたライブパフォーマンスの対決になる。そして『future』はアイドルの活動を通して、事務所がどのような
未来を示すのかを表現する対決になる」
39:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:23:33.65 ID:Yn2W/cWU0
「勝負には興味ありませんが、この事務所で歌を歌えなくなるのは困ります。961プロは完全実力主義で、私でも息が
詰まりそうでした。皆の支えがあって、私はここまで成長する事が出来たのですから」
40:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:24:32.90 ID:Yn2W/cWU0
「ええっ！千早さん961プロに行ったんですかぁ―――――っ!!」
「うらぎりもの→」
41:1 ◆/Np/r2DpDs[saga]
2012/04/15(日) 18:25:15.42 ID:Yn2W/cWU0
「で、次の『appeal』なんだけど……」
「ここはこのスーパーアイドル伊織ちゃんの出番でしょうっ!!千早にばっかりいい思いはさせないわっ!!」
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