過去ログ - れいか「ココロやすまるトコロ」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/04/22(日) 15:15:51.74 ID:8NfE8mWF0
なおの言葉は宝石のように一粒一粒輝き、私の心に沁みていく。
腰まで続く髪の流れに沿うようにゆっくりさすられ、ほぅと安堵の息が零れた。
一度高ぶった鼓動が、小さく聴こえるなおの心音に合わせるようにゆったりとリズムを刻むようになる。

なお「いつも私たちのために頑張ってくれていること、みんな知ってるよ。何より私が知ってる。だからね、たまには甘えてよ」

ぎゅっと回された腕に力がこめられ、なぜだかこみ上げてきた涙をこらえながら「はい」と答えた。
そろそろと自分の腕をなおの背にまわすと、耳元でふふっと彼女が笑う。

れいか「なお、ありがとう」

肩に頭を軽く乗せ、目を瞑る。
いつもなおは私を見ていてくれている。
それが少し前まで感じていた寂しさを吹き飛ばし、優しい温もりで心を癒してくれる。
嬉しくてたまらなかった。これがみゆきさんの言うウルトラハッピーというものなのだろう。

なお「どういたしまして」

頭から背へと移っていった手がとまり、引き寄せられる。
近かった距離がさらに短くなり、私となおの胸が触れ合う。
心臓の音が重なって聴こえて、一つになってしまったような錯覚に陥った。
しばらくそのまま無言で抱き合っていると、やがてなおの腕の力が弱まり縮まった二人の間がまた広くなる。
離れた体温がすぐさま恋しくなって、顔をあげてなおを見た。

なお「そろそろ帰ろうか。もうすぐ見回りの先生が来ちゃうだろうし」

はっと外に視線を向けると、窓の向こうにあった夕日はかなり低い位置まで降りてきており、反対側にはもう紺色の夜空が姿を現わしていた。

れいか「そうね」

最後まで握っていたなおの制服の裾を名残惜しくも離し、荷物を持って立ち上がる。
二人並んで薄暗くなった教室を後にした。



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