過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/04/24(火) 23:34:25.64 ID:qSbSwrSBo

 ハカセは呆れたような溜め息をついた。

「シラノ、お前、友達いないのか」

 歯に衣を着せぬ物言いだ。良いことか悪いことかはわからないが、ハカセは子供の頃からずっとこうだった。
 オブラートというものはどこかに落としてしまったらしく、相手が傷つこうが悲しもうがおかまいなしに思ったことを言う。

 彼自身は傷つけようとしているわけでもなく、自然とそうなってしまうらしい。
 一時はその癖を直そうと努力していたようだが、そうすると今度は反対に自分の意思を表明できなくなってしまうという。極端な奴だ。
 そのことで誤解されたり、嫌われたりすることが今でもあるらしい。

 俺は彼のそういうところが好きだった。ぶっきらぼうで遠慮のない、威風堂々とした態度が好きだった。
 だからといって、俺が彼に特別な親密さを感じているということにはならない。

 どちらかというと苦手意識の方が強かった。
 ハカセと一緒にいると、俺は自分の意思表示の稚拙さや、あるいはもっと根本的な幼児性に気付かされる。
 なぜかは分からないが、そうさせる何かが彼にはあるのだ。あるいは、そうなってしまう何かが俺にはあるのだ。
 だから俺は、彼と目を合わせて話をするのが苦手だった。




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