過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/04/24(火) 23:36:01.14 ID:qSbSwrSBo

 彼女の言ったことは半分くらいは本当だ。
 たしかに彼女は、教室では二人の女子としか会話しない。けれどそれは浮いているわけではなく、敬遠されているのだ。
 
 学年の中でも断トツの容姿を誇るシラノとその友人ふたりは、女子の中でどう扱われているかはしらないが、男子の中ではかなりの人気者だ。
 不思議と彼女たちに声を掛ける男はいないが、クラスメイトたちがシラノの話をしているのを、俺は何度か見かけた。
 評判はかなりいい。だからこそ、女子の間では浮いているのかもしれない。
 男子の中にも彼女に話しかける者はいないから、本人してみれば、クラス中から避けられているのと変わりないのかもしれない。
 
 いずれにせよ、もともと友達のいない俺にはどうしようもないところだ。

「ジョーは?」

 ――ハカセは俺のことを"ジョー"と呼んだ。なぜかは知らない。いつからだったかも覚えていない。
 何か理由があった気がするが、大したことではないだろう。
 最初はどうにも間抜けなのでやめてほしいと思っていたが、今ではどうでもよくなった。

 馬鹿らしいあだ名だが、その名で呼ばれたところで俺が損をするわけでもない。
 名前なんてなんでもかまわない。なんなら数字でもいい。どうせ大した意味などないのだから。

「俺も知らない」

 正直に答えると、ハカセはふたたび溜め息をついた。こいつは一日に何度くらい溜め息をつくのだろう。




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