過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/04/24(火) 23:38:06.50 ID:qSbSwrSBo

「お前は知ってるか」

 ハカセはトンボに水を向けた。

「まあ、少しは。あれだろう、旧校舎の階段の、大きな鏡」

 トンボはすらすらと答える。彼の話し方は穏やかで落ち着いていた。その口調は、いつも俺の心を強く波立たせる。
 なぜなのかは分からない。俺はトンボに、理由はわからないが、奇妙な親近感を抱いていた。
 もちろん俺と彼との間に類縁性と呼べるものが少しもないことは自覚していたし、この親近感が単なる錯覚にすぎないだろうとも思ってはいた。
 それでもなぜか、俺はトンボに妙な興味を抱いていた。

 だからといって、彼が俺にとって特別な存在だという話にはならない。

 俺にとってトンボは、多くの人間と変わりなく単なる他人でしかなかった。
 そもそも俺は、彼という人間と長い時間一緒にいるのが苦手だった。




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