過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
1- 20
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/07(月) 14:37:15.62 ID:SeOAfSECo

 俺は思い出せるかぎりの記憶を遡り、"日常"と名付けられる場面と"非日常"との間を区切ることにした。

 まっさきに思い浮かぶのは、あの手紙。今となってはあの手紙の内容もなんだか白々しく感じる。
 "女神ガラテア"の力によって封印された"魔神カリオストロ"の復活。
 それを防ぐために、"半神の身になった英雄の魂"の生まれ変わりである俺の協力が必要だという。
 
 あの手紙はティアからのものだったはずだ。……そういえば、ティアの姿はしばらく見ていない。

 俺は目の前に現れたものはすべて"現実"として扱うことにしていた。
 だからティアという妖精の存在を疑うことなく認めたのだ。

 ――それならば、なぜ"現実として扱ったか"についても考えておくべきだろう。

 俺の身には、六月の半ば頃から奇妙な"ズレ"が起こっていた。
 過去とも未来ともつかない奇妙な時間に、俺は巻き込まれてしまっていた。
 その光景は、白昼夢と呼ぶにはあまりに生々しい感触を伴っていた。
「これを現実でないことにしたら、何が現実なのか分からなくなる」と思い、俺はそのすべてを現実として扱うことにしたのだ。

 目の前に起こったことはすべて現実として受け止めていた。夢と現実、妄想と現実の区別は、俺にはとうに曖昧だった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
445Res/341.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice