過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:25:08.54 ID:JGE6sUjjo

 俺は屋上に寝転がった。鈍色のフェンスに区切られた空間。
 隔絶され、孤立した空間。そこには言いようのない安らぎがある。
 外に出て仰向けに寝転がってみると、太陽は意外なほど暖かかった。
 
 俺は瞼を閉じ、その裏で陽の光を感じた。こんなふうに照らされていれば――何かが変わることはあるのだろうか?
 そんな考えを、我ながら馬鹿らしいと鼻で笑う。

 なんだか、とても眠い。
 近頃は、どれだけ眠っても寝足りない。ずっと眠っていてもいいくらいだ。
 
 俺は起きていることにうんざりしていた。ずっと眠っていたかった。
 何が悲しいのではない。何が悔しいのでもない。
 
 疲れたのだ、目を覚まし続けていることに。
 必死に目をこらしてみたところで、何かが変わるわけでもない。この手が何かをつかみとるわけでもない。
 
 俺は何かを一心に待ち続けていた。
 そうやって待っていれば、いつかなんらかの解決が訪れてくれると思っていたのかもしれない。
 偶然に期待することは、居もしない神に祈ることと、どう違うだろう?
 自ら積極的に行動する能力を失った魂は、生きながらにして死んでいく。これは自明だ。




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