過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/04/24(火) 23:23:24.39 ID:qSbSwrSBo

 世の中に不思議なことはありふれているが、それも話で聞くのと自分の身に降りかかるのでは話がまったく違う。
 最初は何が起こっているのかと不安に思ったものだが、何度も繰り返しているうちに慣れてきた。
 より正確に言えば、気付いたのだ。この"ズレ"が何かをもたらすものではないということに。

 一ヵ月先に行ったところで、一ヵ月前に行ったところで、どこにもいかなかったとして、何の問題もない。
 俺がやることは、いつでもどこでも、変わらず同じ。周囲に適当に合わせればいい。
 別に相手の話をすべて聞くこともない。仮に何かを勘付かれて、怒らせたり悲しませたりしても、それだけの問題だ。
 
 この"ズレ"があろうがなかろうが、俺は誰かを怒らせるだろうし、悲しませるだろう。
 どちらにしても変わりない。

 幸いにもこの"ズレ"は少し時間が経てば収まり、俺は元いた時間に戻れる。
 やり過ごせばいいのだ。やはり、現実と変わらない。
 
 ただ、周囲に合わせる。適当にごまかす。可能な限り上手に。失敗しても、またごまかせばいい。
 そうすることの何が悪いだろう? どうせ俺は誰からも必要とされていない人間なのだ。
 誰かが俺に話しかけるとしても、それはマネキンに話しかけるようなものだ。答えを期待されているわけじゃない。
 
 俺の返事が上辺だけだろうと本心だろうと、聞く相手は都合の良い方がうれしいのだから、せいぜい相手に都合の良いように返事をすればいい。
 可能なかぎり上手に、矛盾がないように。

 それで十分なのだ、俺以外の人間にとっては。




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