27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 23:08:33.93 ID:z/IdN2wF0
律子「あと7日か……」
事情聴衆を終え、私はホテルの部屋で1人ボーっとしていた。本当に不思議な気分だ。5時間ぐらいのフライトなのに、ドアを開ければ10年後の世界。漫画じゃあるまいし。
だからかな、残り一週間と言われても全くピンとこない。未だにドッキリじゃないかと疑っているぐらいだ。携帯を見ると、涼からのメール。何かあったら連絡して欲しい、か。ホント、大きくなったわね。
涼「律子姉ちゃん。僕、婚約したんだ」
律子「ええ!? 今ここで言われても……。まぁなるようにしてなるって感じだし、良いんじゃないの?」
涼「それと……、実は子供も……」
律子「……マジ?」
涼「マジ」
桜井さんのお腹を見て言う。流石にそこまでとは思って無かったわ。涼と桜井さんの子供なんだから、男でも女でも可愛いんだろうな。想像するとにやけて来た。
律子「可愛い子になるんでしょうね。どっちに似たとしても」
涼「それってどういう意味!?」
恥ずかしそうに笑う涼。隣の桜井さんはもっと恥ずかしそうだ。あれだけ鈍感だった涼も、ようやく踏み出したのか。10年と言う歳月がとても長く尊いものだと突きつけられた。
律子「なにが姉ちゃんよ。あんたの方が年上でしょうが」
大きくなった男の背中は逞しく見えた。もう、私が知っているヘタレだった涼はどこにもいないのだ。嬉しく思う反面、寂しくも思う。
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