2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]
2012/04/29(日) 13:16:58.45 ID:NtxCfnkio
  
 私が原因じゃない、と言われて安堵すると同時に、そんな唯の変化に気づけなかった自分を悔やむ。 
 唯のことにはちゃんと目を配っていたつもりだったのに。高校時代は何かと傍にいた梓と憂ちゃんがいない今、高校一年時のように私がちゃんと唯の行動には目を光らせていたつもりだったのに。 
 どこか、唯と学部が同じ晶に甘えてしまっていたのだろう。もしかしたらこれからも甘えてしまうのかもしれない。 
 それが自然な形なのかもしれない。けど、悔しかった。自分でそう決めておいておきながら、成せないのは悔しかった。 
 ……唯との距離が無意識に離れてしまったような気がして、悔しかった。 
  
 澪「……今からでも、間に合うかな?」 
  
 幸「……唯ちゃんのこと?」 
  
 澪「うん。余計なお世話かもしれないけど……」 
  
 何もしない、というわけにはいかなかった。 
 私が原因でなくても、私を見て唯は目を逸らした。律の言う通り私に何もないなら、唯のほうに何かがある。 
 私の気づかないうちに、唯の何かが、どこかが変わってしまったんだ。目を逸らすほどに。 
 ……そんなの、放っておけるはずがない。 
  
 律「……そうだなぁ、じゃあ今夜、様子見も兼ねて唯の部屋にみんなで押しかけてみないか?」 
  
 澪「様子見?」 
  
 律「もしかしたら単に騒ぎたいだけかもしれないじゃん。それこそ最近、秋山さんとは疎遠だったようですしー??」 
  
 澪「ぐっ……」 
  
 流石は律、私の考えていることを的確に見抜いてくる。 
 私も律が悩んだりしたらすぐに察せる自信はある。それくらい私達は付き合いが長くて、そしてお互いから見れば『わかりやすい』人間同士だ。 
 変に似た者同士じゃないからこそ、相手の心の内がわかってしまうというか。私達は互いにそんなところがあった。 
 ……まぁ、時に過剰に私の神経を逆撫でするような言い方や行動をするのだけは止めて欲しいけど。胸を揉むのとかもね。 
  
 澪「……今夜、か……わかった。唯には教えるのか?」 
  
 律「サプライズでいいんじゃね?」 
  
 幸「じゃあ、晶と菖には私が伝えておくよ」 
  
 律「んじゃムギには私だな。澪はお菓子とかジュースとか宜しく」 
  
 澪「ん、わかった」 
  
 と一応頷いたけど、夜中に食べるとムダなお肉になるのはわかりきったこと。 
 お菓子は少なめにして私の分は唯にあげるとして、みんなで遊べるトランプか何かでも持っていくことにした。 
  
  
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