7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]
2012/04/29(日) 13:24:46.42 ID:NtxCfnkio
  
  
  
 そうして唇を重ねたのが一週間前だったか、一ヶ月前だったか。 
 いや、流石に一週間前は言い過ぎか。私にとっては一週間程度にしか感じられないくらいの時間だったけど、それでも確実にそれ以上の時間は経っている。 
  
 名実共に唯の傍にいられることになった私だけど、そのことを皆に公表はしなかった。 
 唯がそうしたいと言えば拒まないつもりだったけど、そう口にしないなら私からは言うつもりは無かった。 
 唯が意外にもそういうことを一切口にしないから、実際唯もバラしたくはないのだろうと思う。なら私も何があってもバラさないし、バレないように気を配る。 
  
 私は唯の望みを叶え、唯を笑顔にするだけの存在。 
 万が一にでも唯の害になる可能性があるような行動を取るつもりはなかった。 
  
 大学にいるときも、部活のときも、あくまで今まで通りに振舞う。 
 結局、日常で唯を見守る役は学部の同じ晶になってしまったような感があるけど、でも私は唯に目を配る人から唯を支えてあげる人になったんだ。 
 だからもう、目を配る役は晶に任せてもいい。そう思うことにした。 
  
 そして二人っきりになればただひたすらに唯を尊重する。 
 唯のしたいことをさせてあげる。唯のことを否定しない。そうすれば唯は淋しさなんて感じないだろうから。 
 唯も恋人関係を理由に私に甘えてきてくれる。恋人だから一緒の布団で寝るし、一緒に夜遅くまでお喋りするし、キスもする。キス以上のことは……ちょっとまだ、お互い早い気がするけど。 
  
 そんな時間が、毎日が、嫌いじゃなかった。 
 唯も笑っていてくれた。唯が笑えば、私も嬉しかった。 
 唯も楽しんでくれた。笑ってたんだから楽しかったはずなんだ。 
  
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