31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/11(金) 14:50:30.30 ID:ffK+INfb0
【1月14日】
やっと登校した。制服の袖に腕を通すのも久しぶりになる。
鈴と一緒に、ヘリコプターで学園に行った。
鈴を保健室のベッドに寝かせた。
その時初めて、鈴の体にどれほどの機械が接続されているのかを知った。
体中にコードが接続されて、生命活動を補助している。
いたたまれなくなって、逃げるみたいにして教室に行った。
ドアの前でいつも通りの顔を作ろうと努力した。
飄々として、なあなあで間抜けな生き様を晒してきた糞野郎をイメージした。
「おはよう」
ドアを開けたら、みんなポカンとして俺を見た。朝のホームルーム前だったケド、途端に誰か叫んで、泣いて、抱きついてきた。
まるで激戦地から帰ってきた兵士みたいな扱いだった。
俺は生きてる。鈴も生きてる。
「何だよ、ひょっとして、俺が死んだとか思ってた?」
「ちッ、違いますわ! いつまで経っても来られないから、ひょっとして鈴さんと心中でもしたんじゃないかと……」
いつも通りの表情を保っていられたのは、それまでだった。
「……一夏?」
「どうした一夏、顔色が悪いぞ」
シャルとラウラが心配そうに声をかけてきた。
何でもない。何でもないんだ。そう言おうとして、不自然に息が詰まった。
俺が一昨日見た悪夢は、俺が鈴を道連れに自殺する夢だった。
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