過去ログ - 芳川桔梗「言ったでしょう? 私の名前を忘れないでって……」
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◆hZ/DqVYZ7nkr
[sage]
2012/06/22(金) 01:43:32.09 ID:TMLC1M90o
〜〜〜
コーヒーを使い慣れた自分のカップにいれると、一方通行はそれを芳川に差し出した。
「懐かしいわね、これ」
芳川は礼を言いながら受け取ると、使い慣れた懐かしいカップを見て微笑んだ。
「そォだな」
そして、二人は一口ずつ飲む。
「これも、懐かしい……」
芳川は嬉しそうに、そうつぶやいた。
「豆はいつも俺らが飲ンでるのと変わらねェぞ?」
一方通行は不思議そうに聞く。
「この街で、この家で、あなたが淹れてくれるコーヒーは特別なのよ」
大切そうに、もう一口飲んだ。
「あなたが消えた時、自分でコーヒーを淹れて飲んでも全く美味しくなかった。
美味しいコーヒーが飲みたいなって、ずっと思ってた。
それを、思い出したわ」
一方通行が帰って来てくれた事を、今更もう一度嬉しそうに話した。
「桔梗、安心しろ」
一方通行も当時の事を思い出しながら、話す。
「もう、お前を置いて何処かに行ったりしねェよ。
そンでさ、ありがとうな」
「心配なんてしてないわよ、信じてるもの」
「そっか、ありがとう」
「何がよ」
芳川はクスクス笑った。
「俺を、助けてくれてそして、信じてくれて」
「ほんと、馬鹿ね……」
芳川はそっと隣に座る一方通行の手を握った。
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