過去ログ - 芳川桔梗「言ったでしょう? 私の名前を忘れないでって……」
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◆hZ/DqVYZ7nkr
[saga]
2012/05/13(日) 00:01:37.12 ID:j7YOYfo/o
〜〜〜
芳川桔梗は窓のないビルの前に立っていた。
―― きっと一方通行はこの中にいる。
あの帝督と御坂さん、それに初春さんが何ヶ月も探してカケラも情報が出ないなんて、そんなのおかしい。
そのビルを見上げると、よし、と一言自らを鼓舞する。
―― それにいなくてもアレイスターなら居場所を知っているはずだ。
「アレイスター・クロウリー……見ているんでしょ?
私をこの中に入れなさい」
芳川はアレイスターがこの街を視ているという前提のもと、行動している。
じっと待っていると、やがて身体を独特な浮遊感が襲い、目の前に大きなビーカーとその中に浮かぶアレイスターが現れた。
「アレイスター……クロウリー」
「……」
「素直に案内してくれるとは思わなかったわ。
まどろっこしい事はなしよ、一方通行はどこ?」
「何故……」
アレイスターはうんざりとした様子で言葉を紡ぐ。
「何故、私がお前をここに入れる事を赦したと思う?」
だが、その声はゆっくりと、穏やかな物だ。
「答えは簡単だ。
お前は何も出来ない。
お前が眠っている間に、一方通行はもう帰れないところまで堕ちた」
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