過去ログ - 芳川桔梗「言ったでしょう? 私の名前を忘れないでって……」
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43: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/05/13(日) 00:06:59.07 ID:j7YOYfo/o

〜〜〜

「裏切られても信じる事から、奪われても与える事から、寂しくても分け合う事から……か」

垣根は一人の頃よく来ていたビルの屋上に立っていた。

「こんなにも月は綺麗なのに、一方通行のバカは姿見せないし……俺の頭の中もいろんな事でぐちゃぐちゃだし。
あーあ、俺は何をやってるんだろうな」

白い吐息を吐く。

「与えるだけじゃ、ダメなのかな?
でも、俺はそれしか方法が分からないんだ。
何かを貰ったら、それを手切れ金として俺から人は離れちゃうんじゃないかと思っちゃうんだ。
俺は、愛されたいんだよ。
誰かの一番になりたいんだよ。
やっとなれたと思ったのに、次の瞬間奪われた。
やっぱり、俺は何かを貰ったらいけないんだろうな」

純白の翼で飛び上がる。
空には垣根を邪魔するものはなく、自由だった。

「一方通行とずっと一緒に同じ景色をみたいと願ったから奪われたんじゃないかな?
俺が悪いんじゃないかな?
答えてくれよ」

大声で叫ぶが、空には邪魔をするものがいないと同じで、その声に答えるものもいない。
虚しく散った言葉は垣根の心を重くするだけであった。

「いったい、俺になにが、できる……?
友達一人、大好きな女の子一人守れなかった俺に……なにができる?」

泣きたい気持ちを必死に抑え、垣根は堕ちるように地面へと帰った。


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