過去ログ - ヴェント「安価でツンデレを克服したら、フィアンマに告白出来るはず…よね」
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Epilogue
◆H0UG3c6kjA
[saga]
2012/05/05(土) 16:07:25.01 ID:t7zs8KJ70
噴水の前で、一組の男女が言い争いをしていた。
正確には、男性が一方的に女性から噛み付かれるかのように怒られているというべきか。
その怒りを向けている内容はどちらが悪いというものでもなく、本来責められる必要のない男性は、しかし愉快そうに笑っている。
罵詈雑言を吐き捨てるのにも疲れたらしい女性が息を切らしながら項垂れたところで、先程まで薄く笑みながら沈黙を守っていた男性がようやく口を開き、女性の耳元で何か囁いたかと思えば、その甘言に女性が顔を赤らめて口ごもった。
それから、そうして、何かを取り繕うかの様な手の動きを見せる女性に、否、前方のヴェントに。
エスコートするかの様に手を差し出し、握ったのは右方のフィアンマで。
そのまま恋人繋ぎにシフトして、同じ歩調で歩き出す。
不機嫌そのものを装うヴェントの表情は、よくよく観察してみると、幸せいっぱいの笑みが薄く浮かんでいて。
そんな彼女の様子を見つつ歩くフィアンマも、いつにもまして上機嫌だった。彼は元々、幸福や笑顔が好きなのだ。
以前までは、方向性が間違っていたというだけで。
「ねぇ、」
「ん?」
「さっきは、その、」
「……何だ?」
「ご…めんなんて言う訳ねぇだろ」
「お前は素直じゃないからな。別に気にしていないが。また俺様と口論したいのか?」
「逃げ道を無くすような言い方は思わぬ結果を呼ぶわよ」
「そうだな。実際、思わぬ結果を得た」
「ッ…あの時の事じゃねぇよ!」
「んん? あの時?よく分からんな、詳しく説明してくれ」
「……意地悪、バカ、くたばれ」
「もっと論理的に反論してほしいものだ。これでも意地悪は抑えているつもりなんだがな」
「嘘つけこのトマト野郎!」
「嘘じゃないさ。俺様は不必要な嘘は吐かんからな」
「…ふーん?へェ?」
「信じていないだろう、猜疑心に満ち溢れた顔をしているぞ。…お前を泣かせたい訳じゃない」
「ハッ、アンタが何をしたところで…誰が泣くか」
「この間俺様が少し冷たくしたらガチで落ちk「うーるーさーいー!!」まったく…」
無理やり言葉を遮られ肩を竦めたフィアンマは、服屋に入る前に足を止めた。
「…何よ」
「今度は俺様が逆ナンパに遭っていても逃げてくれるなよ?」
「フン、どうだかね。苛立ったら殴るかもしれないし?保証も約束もしない」
「そんなに心配がらずとも、俺様はお前だけを"そういう"意味で愛しているよ」
「あ、愛し…ッ」
「さて。雨が降りそうだし中に入るか。…何を呆けている」
「う、るさい…ばか、すき」
「そうか。俺様も好きだぞ」
「……うん」
おわり
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