過去ログ - のび太(30)「いらっしゃいませ。」
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21: ◆51UnYd7yHM[sage]
2012/04/30(月) 23:59:00.40 ID:cvmqAs0AO
のび太に見送られながら、ドラエもんは机の引き出しを開けた。

のび太は、泣いていなかった。

最後は笑顔で別れると決めたから。

ドラエもんの体が徐々に引き出しへと入ってゆく。

まるで水平線に沈み行く夕陽のようだ。

ドラエもんの丸い頭が少しずつ、引き出しの中へと消えてゆく。

のび太の脳裏を、狂ったように思い出が駆け巡る。

目に写る映像、写らない映像。



スローモーション。



そしてついに、青い夕陽は沈んでしまった。

引き出しが閉じられる。

静寂が訪れた。



ドスンッ!

のび太は膝から崩れ落ちた。

そして、部屋に立ち込める静寂を追い払うかのように、声を上げて泣いた。

涙は無尽蔵だ。

さっきあれだけ泣いたのに。

こんな明け方に大泣きしたら、きっと近所迷惑だろうな。

でも、止められない。

涙と、悲鳴のような嗚咽は、後から後から沸き上がってくる。



ドラエもんは



もう



いない。











それから1週間後。



のび太は部屋から出て来なくなった。


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