過去ログ - 【Fate】汝、自らを以って最強を証明せよ【コンマで聖杯戦争】
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579:1 ◆otXcqJ9cB.[saga]
2012/05/01(火) 02:28:35.71 ID:xAQQHBZbo


《プロローグ》



「一つの意見が絶対ではない」


貴方は目の前に座する青年にそう告げていた。

年齢相応に刻まれた皺。

長きを生きた人間が持つ特有の雰囲気。

貴方は茶をゆっくりと啜る。

そのまま口の渇きを潤し、続けた。


「この常世には何分、人も自然も数が多い。だからこそ、思想や個人の主義にも色々な考え方が出来る」


王という絶対者が存在した君の時代においては、そうあることが難しかっただろうがね。

そう貴方は続けた。

その話を瞳を閉じ、聞き漏らさないように沈黙する青年。

セイバーのサーヴァント、ガウェインは「私は…」と、言葉を続けた。


セイバー「私は……ただ、王を構成する部品であれば良かった……それは間違いなのですか?」

「間違いじゃないだろう……それもまた、個人の主義主張だ」


その結果が国を滅ぼすことに繋がっても。

貴方はまた茶を含み、続ける。

それは今も道を迷い続けるからこその言葉。

貴方はカラカラと、小さく喉を鳴らして笑った。


「思想なぞ、結局は水掛け論。人間2人が存在すれば、そこには違いが出るもの」


君とかのランスロットのようにね。

貴方はそう、セイバーへと告げた。

そして茶を飲み干し、席を立つ。

まだ少し考えるセイバーに、貴方は最後の言葉を続けた。


「どう生き、どう自らを示し、どう死ぬか……常世は全て、それだけ――――ガウェイン君も、今一度考えてみるといい」

セイバー「私は……」

「かの騎士王に捧げた君の忠義は、間違いじゃないだろう。その中で君はどういった考えを纏めるか……何時でもいい。聞かせてはくれんかね?」


貴方はそう言い、笑ってその場を去る。

その場に残るのは、セイバー。

セイバーはゆっくり、手元へと指を添えていた。





《プロローグ END》


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