過去ログ - 貧乏神「私がメイドですかッ!?」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/02(水) 01:35:05.77 ID:oG+WlUYDO
貧乏神「……失礼しまーす」

おそるおそるといった感じに断りながら、霊体になった貧乏神が洋館の扉を透過していく。
当然、明かりの消えた館からは咎める声も無く、外で降り続ける雨音だけが館の中に響いてくるのみであった。

貧乏神「ふう」

黒ずんだ樫の木の扉を完全に通り抜け、貧乏神は実体化して着地。
背負った家財を小さく鳴らし、二階まで吹き抜けの玄関ホールへと侵入する事に成功した。

貧乏神「むふふ、装備一式も運べる優秀なワ・タ・シ」

霊体化の片手間に物も運べるのは流石に神といわれるだけはある。
自分の優秀さにほれぼれとした貧乏神は偉そうに鼻を高くするが、その直後、大きくクシャミをした。

貧乏神「へっくしょいっ!」

濡れた状態まで維持してしまう器用貧乏さも、流石の貧乏神だった。

貧乏神「はうぅ、洋館なら暖炉くらいありますよね?」

貧乏神はガタガタと身震いし、背中の荷物をひとまずその場に置いて洋館の廊下をトテトテと歩き始めた。


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