過去ログ - 貧乏神「私がメイドですかッ!?」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga saga]
2012/05/01(火) 22:59:12.86 ID:BKntfQyDO
貧乏神「うぅ……」

道無き道を掻き分けて進み続けるが、一向に雨宿りポイントは見つからない。
いつしか両足は泥まみれ、ちゃぶ台では雨を防ぎきれずに全身ずぶ濡れという有様だった。

貧乏神「……弁財天さんのバカ」

何度目かの愚痴をこぼす貧乏神。
同時、偶然にも雷鳴が天に轟いた。

貧乏神「あっ、あわわっ!」

驚き、そして泥に足を取られて何度目かの転倒。

貧乏神「むぎゅう……」

ヘッドスライディングよろしく、ダイナミックに前方へとずっこけた貧乏神は背負った家財一式に押し潰された。

貧乏神「いたた……」

しかし、足を止めている暇は無い。
早くしなければ本当に風邪を引いてしまう。
貧乏神は頭を押さえ、ゆっくりと立ち上がり、

貧乏神「……あれ?」

稲光に、正確には稲光によって浮き上がる黒いシルエットに気付いて、貧乏神はその動きを止めた。

貧乏神「建物?」

山の中には街の光も届かず、判別もつかない漆黒の闇が広がっている。
だが貧乏神には雷を背景に、建築物らしき物が一瞬だけ見えた気がしたのだった。

貧乏神「廃墟……だったらいいなぁ」

どうせアテも無いのだ。
貧乏神はちゃぶ台を再び頭の上に掲げると、チラとだけ見えた記憶を頼りに建物へ向かって走りだした。


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