過去ログ - 魔王がいなくなったと思ったら死神が侵略しに来ました
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32: ◆HTlu27uC.s[saga]
2012/05/04(金) 21:16:11.75 ID:EJSdHoo70


首都の親戚の家では冷たく扱われた、それでも私は平気だった

もうすぐ二人が来るんだ、それならたとえ知らない土地でも暮らしていける。戦争が終わったら家に帰る事だって出来ると信じていたから


けれど、再会した二人は首都にある市民体育館に並べられている死体袋に入っていた


首都に向かう電車に乗っていた時に魔物に襲われたと聞いた

運転手は上級魔術師で、他にも10人の魔術師が乗っていたのに、車内にいた人を守れなかったとテレビでは謝罪していた


私は信じられなかった


目の前にある二つの袋が自分の両親だと、たとえ中を見せられても信じることが出来なかった

だから私は背を向けた

二人の遺体に背を向けて走った

認めたくない、二人が死ぬなんてありえない、だって、必ずまた会えるって信じてたんだ、だから、あんなの


”私の好きなお父さんとお母さんじゃない!!”


だから私は両親を嫌った

適当な理由をつけて嫌った、過去を思い返すこともせず、そう自分に言い聞かせて、嫌い続けた

魔王を理由に故郷も嫌った、両親との思い出が詰まった場所も嫌った

そうしなければ、自分は全てを失ってしまった事に耐えられないから

過去を嫌い、過去から目を背け、過去から逃げ続けてきた

けれど、そんなことがいつまでも続けられるわけが無かった


だって本当は、お父さんもお母さんも、大好きだったから

〜〜〜

〜〜





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