過去ログ - 魔王がいなくなったと思ったら死神が侵略しに来ました
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◆HTlu27uC.s
[saga]
2012/05/04(金) 22:49:34.86 ID:EJSdHoo70
ユイ「嘘よ……嘘でしょ!なんで!?アイツぶっ飛ばすんでしょ!」
ユイ「死神なんでしょ!なのになんでアンタが死ぬのよ!おかしいじゃない!」
ユイ「私ずっと泣けなかったんだよ?けどアンタが教えてくれたのよ!お父さんとお母さんのために、私は泣けるんだって!」
ユイ「お願い……こんなところで死なないで!私…まだアンタにお礼もいってないのよ!」
どれだけ呼びかけても、どれだけ揺すっても、男は何も反応しなかった
背中に刺さった、心臓に刺さったナイフが、とめどなく流れ地面を汚す血が、男の死をいやおう無く認めさせられる
マッチョ「無駄よ、まだ生きているとしてもあたしが止めを刺す!」
マッチョが拳を振り上げる
マッチョ「……何のつもりかしら?」
ユイ「……させない」
そのマッチョの前に、男の背中からナイフを引き抜いたユイが刃先を向ける
両の手で持っているというのにナイフは震えていた
マッチョ「どきなさい」
ユイ「嫌よ」
マッチョ「どかないと殺すわよ」
ユイ「嫌よ!」
マッチョ「どきなさいって、言ってるでしょぉおがあああああああ!!!」
ユイ「絶対嫌だっていってんのよおおおおおお!!!!」
マッチョがユイに目掛けて拳を振り下ろす
既にユイが”商品”である事は忘れているのだろう。怒りに任せて目の前にいるユイすら殺す気なのは明らかだ
ユイ「っあああああああ!!」
どうしてこんな事をしているのだろうか、それはユイ自身にも分からなかった
こんなの意味なんて無い、自分が死ぬだけだ。自分はそんな事が分からなくなってしまったのだろうか?
でも、分かることだってあった
この男が死んで、自分は悲しいのだと
そして、もし生きていればで男のために泣けるかもしれないということ
それを教えてくれたのは、他でもないこの男だったから
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