過去ログ - さやか「あたし……もうゾンビなんだよ!」大道克巳「それがどうした!」
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2: ◆mbgGrCikwU[saga]
2012/05/03(木) 14:47:56.91 ID:jHm1eNTk0
【第一話「だから足掻き続けてるんだよ」】


「だってあたし……もう死んでるんだもん、ゾンビなんだもん!」

 悲痛な叫びが木霊する。

「こんな身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ……」

 二人の少女。
 一人の名前は美樹さやか、何処にでも居る普通の魔法少女。
 一人の名前は鹿目まどか、どこにでも居ない特別な只の少女。
 美樹さやかはとある願いのために魔法少女になり、結果それを叶えた。
 だがその代償はあまりに重く、彼女は人間の体を失った。
 もう恋しいあの人に触れられない。
 触れていいような自分ではない。
 そんな絶望が今まさに彼女を蝕んでいた。
 まどかはさやかを優しく抱きしめ、さやかはホロホロと涙を流している。
 まどかの眼からも何時の間にか涙が溢れていた。
 突然さやかの肩を何者かが叩く。

「それがどうした?死人が夢をもっちゃいけないのか、死人が恋をしちゃいけないのか?」

 驚いて彼女は振り返る。
 先ほどまで居た筈のQBは消えていなくなり、代わりに整った顔立ちながらどこか危険な雰囲気のする青年が立っていた。

「たとえ死人でも、俺は未来が欲しい。だから足掻き続けているんだ
 お前はどうする。そこで立ち止まって朽ち果てるのか?それとも、俺についてくるか」

 男はさやかの瞳を見て問いかける。
 まどかもさやかも突然の闖入者に呆然としていて彼に上手く反応ができない。

「…………」

「…………」

「ん?」

「え?」

「あの……」

「どちら様ですか?」

 当たり前の反応である。

「…………俺は、大道克己。死人だ。そして仮面ライダー」

 大道克己、線の細い青年。
 あの風都を死人の街に変えんとした悪魔とは姿が違う。
 その姿はむしろ、彼を打ち倒した二人で一人の仮面ライダー“W”の片割れ、フィリップにそっくりであった。



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